自己都合による離職の給付制限
一身上の都合(自己都合)による離職、「重責解雇」で離職した者については、直ちには給付されず、1ヶ月から3ヶ月の期間をおいた後に給付がなされ、これを「給付制限」といいます。
一身上の都合(自己都合)で離職した者は、「自発的に失業状態となるに至った者」であり、自発的に離職した者については、通常、再就職にあたっての準備が可能であるので、直ちに雇用保険金を給付することは要しないと判断されるわけです。
したがって、これらの理由で離職した場合、実際に雇用保険金を受け取れるのは、雇用保険の手続きをはじめて取った日から約4ヵ月後になります。
給付制限の適用除外
ただし、次のような場合は、一身上の都合(自己都合)による離職であっても、給付制限は課せられず、「正当な理由のある自己都合退職」とみなされます。
先述の「就職困難者」であっても、一身上の都合(自己都合)で離職すれば正当な理由があると認定されない限り給付制限が課されます。
これらの事情に該当すると思われる場合については、事情を申述することにより正当な理由の有無についての判定を求めることになります。
「正当な理由の有無」については、給付される日数が増えるものではなく、「正当な理由のある」離職者が存在する事業所にも「助成金」は支給されるため、「寛大な」判定がされることがあります。
正当な理由がなく公共職業安定所が行う職業指導や職業訓練の受講指示を拒んだ場合などについては、雇用保険法32条による「給付制限」が課される場合があります。
あえて就職を拒否する言動を行う者に対して相当期間雇用保険金の給付をなさないとすることは、雇用保険制度の趣旨から考えて当然であるからで、この場合の給付制限期間は1ヶ月間となります。
1.体力の不足・病気・ケガなどの理由で職種の転換を余儀なくされた場合
例えば、タクシーの運転手が失明したために退職した場合があげられます。
なお、65歳以上の年齢で退職した場合、実務取扱上「体力の不足」による退職と認定される場合が多いようです。
2.妊娠・出産・育児などの理由により、90日以上の受給期間の延長措置を受けた場合
妊娠・出産・育児などの理由により、90日以上の受給期間の延長措置を受けた場合
3.家庭の事情の急変により離職した場合
家庭の事情の急変により離職した場合
4.配偶者と同居するために退職し、通勤が困難となった場合
「通勤が困難」とは、会社までの所要時間が片道2時間以上に至った場合を指します。
5.交通機関の廃止・ダイヤ変更などにより通勤が困難になったとき。
交通機関の廃止・ダイヤ変更などにより通勤が困難になったとき。